助産師になるには|受験資格・養成課程・費用
助産師とはどのような職業か
助産師は、妊娠・分娩・産褥期にわたって妊産婦や新生児のケアを担う専門職です。正常分娩の介助を独立して行える唯一の職種であり、母子の健康を支える重要な役割を果たします。助産師になるには看護師免許を土台とした専門的な国家資格が必要であり、資格取得までには一定の学習期間と費用がかかります。本記事では、助産師資格の概要から取得ルート・費用・活躍できる職場まで、体系的に解説します。
助産師資格の概要
助産師は「助産師法」ではなく、保健師助産師看護師法(保助看法)に基づく国家資格です。助産師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けることで資格が与えられます。試験は年1回(例年2月ごろ)実施されており、合格率は例年90〜95%前後で推移しています。
なお、助産師免許を取得するためには看護師免許の取得(または取得見込み)が前提条件となっています。看護師国家試験と助産師国家試験を同年度に受験するケースも多く、養成課程の設計もそれを前提にしているものが大半です。
助産師になるためのルート
助産師を目指す主な養成課程は以下の3つに分けられます。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の学歴や状況に合ったルートを選ぶことが大切です。なお、制度や各校のカリキュラムは変更される場合があるため、最新情報は各養成機関や厚生労働省の公式情報で確認してください。
ルート①:4年制大学(看護・助産統合カリキュラム)
一部の4年制看護系大学では、在学中に助産師養成の科目を履修し、卒業と同時に看護師・助産師の両国家試験受験資格を得られる統合カリキュラムを設けています。ただし、このコースは定員が少なく、学内選抜(成績・面接など)を通過する必要があることがほとんどです。一貫して学べる反面、競争率が高い点を理解しておく必要があります。
ルート②:助産師専攻科・専門学校(1年課程)
看護師免許の取得後(または取得見込み)に、助産師養成所や看護系大学の専攻科などに進学するルートです。修業期間は1年間が標準で、看護師としての基礎を持ちながら助産に特化した学習ができます。看護師として一定の経験を積んでから進学する人も多く、社会人入学者を受け入れている課程も少なくありません。
ルート③:大学院(修士課程)
看護系大学院の修士課程に助産師養成コースを設けている大学もあります。修業年限は2年間が一般的で、より高度な研究・実践能力を身につけたい人に向いています。大学院卒業後は助産師国家試験の受験資格が得られます。管理職やジェネラリストとしてキャリアアップを視野に入れている場合、選択肢の一つになります。
受験資格・入学要件
助産師国家試験を受験するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 文部科学大臣指定の学校または厚生労働大臣指定の助産師養成所において、所定の課程を修了していること
- 看護師国家試験に合格しているか、同年度に受験資格を有すること
各養成機関への入学要件としては、一般的に看護師免許の取得(または取得見込み)が求められます。専門学校・専攻科では看護師として既に免許を持つ社会人が入学するケースも多く、入学試験(学科・面接・小論文など)が課されます。
取得にかかる期間と費用の目安
期間
- 高校卒業からのトータル期間:大学統合コースの場合は4年間、看護系3年制専門学校+助産師養成所の場合は最短4年間程度が目安です。
- 看護師免許取得後から助産師資格まで:専攻科・専門学校ルートは1年間、大学院ルートは2年間が標準です。
費用
学費は課程の種別や学校によって大きく異なります。あくまで一般的な目安として参考にしてください。
- 国公立大学の助産師専攻科・大学院:年間授業料は国立大学の場合、標準額として約53万円(2024年度時点の国立大学標準額)前後。別途入学金が必要です。
- 私立大学・専門学校の1年課程:年間の学費は100万〜180万円程度が多く見られます。学校によって差があります。
- その他:教材費・実習費・交通費・住居費なども含めた総費用を事前に確認することが重要です。
日本学生支援機構の奨学金や各都道府県・病院が提供する奨学金制度を活用できる場合もあります。修学支援制度の詳細は各機関に直接問い合わせることをおすすめします。
資格を活かせる職場とキャリア
助産師として働ける職場は多岐にわたります。主な就業先は以下のとおりです。
- 病院・クリニックの産婦人科・産科病棟:最も多くの助産師が活躍する場です。分娩介助や産前産後のケア、母乳育児支援などを担います。
- 助産院:助産師が開設・運営する施設で、正常分娩を中心に自然なお産をサポートします。経験を積んだ助産師が独立開業するケースもあります。
- 保健センター・行政機関:地域の母子保健活動(乳幼児健診・母親学級・家庭訪問など)を担います。
- 学校・大学:養成校で次世代の看護師・助産師を育てる教育職という選択肢もあります。
- 国際機関・NGO:国際的な母子保健支援に携わる道もあります。
また、助産師は看護師免許も持つため、産婦人科以外の看護業務に従事することも可能です。助産師として専門性を深めながら、認定助産師や専門看護師(母性看護)などの上位資格を取得してキャリアをステップアップする人もいます。
まとめ
助産師になるためには、看護師免許を基盤として助産師養成課程を修了し、国家試験に合格することが必要です。進学ルートは大学統合カリキュラム・専攻科(1年)・大学院(2年)の大きく3つがあり、それぞれ学習期間や費用が異なります。自分の現在の状況やキャリアビジョンに照らし合わせながら、最適なルートを検討してみてください。各養成機関の入学要件や最新の制度情報は、必ず公式の窓口で確認することをおすすめします。
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